この度GOKOカメラ(株)は一眼レフカメラ(デジタル、フィルムを問わず)の付属装置として、カメラから離れた位置での撮影操作を可能とする「一眼レフ用遠隔撮影装置」を開発、近く売り出すことにした。
一眼レフカメラは光学的に実際の撮影範囲を確認できる優れたファインダーを具備しているが、何分にもカメラに組み込まれたファインダーの視認窓を通して直接覗き見する機構となっている為、撮影時には原則として撮影者がファインダーを覗き見出来る範囲の、比較的安易な姿勢によってカメラを保持しながらの撮影に限られる。
このことは従来からカメラの撮影ポジションに制限を与え、それによって撮影された写真の撮影アングルそのものにも自動的に一定の制限が加えられる結果を呼んでいた。例えば地上すれすれの位置からの小動物或いは昆虫等の目線での撮影など不可能では無いが極めて困難である。また目前の障害物越し、或いはカメラを保持する手を上に一杯に伸ばして俯瞰撮影を必要とすることもまま有るが、ファインダーを通じ望ましいアングルを確認しての写真撮影は事実上不可能である。
この様に一眼レフカメラ(通常のコンパクトカメラも同様であるが)の撮影には、従来からそのアングルの決定上には、長年に亘りかなり厳しい制限が加えられていたものと言える。即ち従来はこの制約の中のアングルでのみ撮影は行われたと言うことになる。この制約を解除すれば写真撮影のアングルは今までより一気に広がり、その構図の面白さは数倍にも拡大するのではないか。
GOKOカメラはこの制限を思い切って排除する目的を持って標記の装置を開発した。
開発の要点は以下の3点である。
○ GOKOが開発した"MacromaX" MVCタイプのCCDカメラを一眼レフのファインダー接眼部に装着し、そのファインダー映像を付属モニター或いはTVモニター、パソコン等によって、カメラから離れたところで拡大して観察できるようになっている。カメラとモニターの距離は最大5メートルと設定している。それによってカメラから5メートル以内であればモニターを通じてファインダー内の撮影範囲、合焦状況が拡大されて精密に観察できる。
○ 撮影は各カメラに装備されているシャッター駆動用のリモートコントロールを使用するが、その操作部分がモニターと同一の部位に位置し操作を容易にさせるようになっている。
○ 屋外操作用として携帯用バッテリーが準備されている。
これによってカメラは、そのファインダーの接眼レンズを覗き見することの可能な人間の姿勢の範囲内での保持という極めて限られた厳しい位置的制約から一気に大幅に解放されることになる。
[一眼レフ用遠隔撮影装置の用途と今後の展開]
この遠隔撮影装置には次の用途が考えられる。
◎ 撮影スタジオ等で撮影条件の確認用として利用される。
◎ TV及びパソコンもモニターとして利用できるが、携帯用モニターも準備される。
◎ 屋内、屋外を問わずカメラを保持した手を上に伸ばした状態での俯瞰した撮影が可能となる。
◎ カメラを非常に低く保持する状態から地上に置く状態に至るまで、家畜、小動物、小鳥、昆虫に至る多種類の目線での興味深いアングルの写真撮影が可能となる。
◎ 将来準備される折畳式長尺一脚スタンド(開発準備中)によって非常に高位置からの撮影が可能となり、スポーツ、報道、建築物、建築予定地等に必要な広域俯瞰撮影が可能となる。
◎ 屋外に目標に向かって設置されたカメラのファインダーを屋内で観察しながら必要に応じての撮影が可能。
◎ 車の屋上にカメラをセットし、社内の者がファインダーを通じたモニター映像によって外部の風景を確認しながら撮影が可能。この場合車内の電源が使用可能となる。(開発準備中)
◎ その他カメラが撮影者から離れて設置出来ることによるメリットは計り知れない。
以 上